どうなる大学入試!?「2020年度センター試験廃止」&「高大接続改革」
近い将来、日本の教育制度が大きな変革を遂げようとしています。
2020年度でセンター試験は廃止され、2021年度からは新しい大学入試制度が始まる予定となっています。それら一連の教育改革の根底にあるのは、「高大接続」という考え方。
つまり、「高校と大学が一体となった教育改革」が、始まろうとしているのです。
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この記事のポイント
「高大接続改革」って何?
「高大接続」と聞いて、「どんな高校に進学するかで子どもの人生が決まってしまうのでは!?」と心配になった方もいるのではないでしょうか。
実は「高大接続」といっても、高校と大学が中高一貫教育のようにくっついたり、大学入試がなくなったりするわけではありません。要は、これまで切り離されている印象が強かった「高校」と「大学」という教育システムが一体となって取り組むことで、これまでにない抜本的な教育システムの整備を実現しようということなのです。
- 「子どもたちには、もっと能動的な学びの環境が必要ではないのか」
- 「画一的な大学入試ではなく、多面的・総合的な評価で入学者選抜を行ってもよいのではないか」
- 「子どもたちの『生きる力』を育み、社会で活躍できる人材を育成したい」
このような考えから、日本の教育体制を大きく変えるために、高校と大学が一体となって取り組む「高大接続改革」が動き出したのです。
高大接続改革の実行プラン
2015年1月、文部科学省は「高大接続改革実行プラン」を発表しました。そのなかで、4つの具体的な取り組みプランが示されています。
- 1. 各大学の個別選抜改革
- 2. 大学入学希望者学力評価テスト(仮)高等学校基礎学力テスト(仮)
- 3. 高等学校教育の改革
- 4. 大学教育の改革
このように高大接続改革では、国が法令の改正や新学力テストの実施を行うだけでなく、各高校や大学にも教育内容や入試制度の見なおしが求められます。現在小学生や中学生のお子さんを持つ保護者のみなさんは、周りの高校や大学がどのように対応していくのか、アンテナを張り巡らしておくことが大切です。
センター試験廃止!2021年からの大学入試はどうなるの?
高大接続改革の一環で、センター試験は2020年度で廃止され、2021年度からは「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」が導入される予定となっています。
まず注意したいのは、この「大学入学希望者学力テスト(仮)」が、このテストの結果ひとつで大学入学の合否を決めるためのものではなく、あくまで大学入学者選抜のプロセスのひとつとして導入されるものだということ。
実際には、「小論文、面接、集団討論、プレゼンテーション、高校からの調査書や活動報告書、大学入学後に関する学修計画書、資格・検定試験などの成績、各種大会などでの活動や実績」といった多様な評価材料と、「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」の結果を合わせて総合的・多元的に評価するというのが、高大接続改革が目指すこれからの大学入試スタイルです。
記述式問題も導入
従来のセンター試験はマークシート式であり、試験内容は知識の暗記・再生を評価するものに偏りがちでした。ですが、新試験では記述式問題も導入し、「思考力・判断力・表現力」のすべてを評価できる問題構成となる見通しです。
コンピュータを活用
「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」ではCBT方式を導入する予定。CBT方式とは、コンピュータ画面に問題が表示され、マウスやキーボードで解答するスタイルの試験です。
音や映像を活用した問題も出題できるようになり、思考力や表現力を問う問題のバリエーションが広がります。
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問われるのは「学力の3要素」 今、親にできることとは
高大接続改革では、「学力の3要素」が重視されています。
学力の3要素
- 知識・技能
- 思考力・判断力・表現力
- 主体的な学習意欲(主体性、多様性、協働性)
大学入学者選抜要項が見なおされ、各大学の入学者選抜では「学力の3要素」を適切に把握できるよう留意することが記されています。高校教育や大学教育でも、学力の3要素を養う教育が行われるようになります。
約5年後に行われる教育の大改革を前に、「子どもにどんな教育をすればいいかわからない」と戸惑うこともあるかもしれません。そんなときは、この「学力の3要素」を思い出してみてください。
教科書の内容に合わせた学習はもちろん、常日頃から「不思議だな。なぜだろう?」と疑問に思う気持ちを大切にし、自らそれについて調べ、考え、答えを見つける面白さを知ること。兄弟や友だちなどと一緒になって楽しみながら取り組むのもいいでしょう。
このように子どもたちが主体的に学ぶ姿勢を育むことで、これから必要とされる真の学力を身につけていくことができるでしょう。