大学入学に向けて!奨学金の使い方は?種類や返済方法など奨学金制度を徹底解説!
人生の中で大きな金額が動く大学進学。
私立大学の場合、大学入学の初年度だけで平均約158.8万円もの金額が必要です。さらに下宿や寮生活をするのであればさらに出費がかさみます。
お金に関する不安を抱く方も多いことでしょう。お金のことは周囲に相談しにくいため、悩みは大きくなるばかりかもしれません。
今回の記事では、大学進学にともなう出費のご参考になるよう、「奨学金」についてご紹介します。
「奨学金の制度がわからない」
「奨学金の使い方について教えてほしい」
「実際に奨学金をもらうまでの流れを知りたい」
この記事を読めば、これらの奨学金についての疑問が解消できます。奨学金の制度を理解して、少しでも金銭的な不安を緩和できますと幸いです。
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この記事のポイント
奨学金の制度について
奨学金の制度は一見複雑に見えます。「奨学金の制度はよくわからない」という方も少なくありません。
ここでは、奨学金の制度について詳しく解説していきます。
奨学金の使い道
基本的に奨学金の使い道は、学費に限定されていません。
奨学金の使途には指定がないものが多く自由に使うことが可能です。多くの学生は奨学金を学生生活でお金が必要な様々な場面で利用しています。たとえば学費、教材費、下宿費、食費、生活費、クラブやサークルなどの活動費、そして日々のお小遣いなど。
ですが、一部の奨学金の中には、使途が学費などに限定されているものもあります。
使途が限定されている場合は、奨学金を学費などに使ったことが証明できる領収書等の提出が必要になります。
奨学金は「給付型」と「貸与型」の2種類
給付金には「給付型」と「貸与型」の2種類があります。
この2つには奨学金という名前が付けられていますが、実際には全く性質が異なるものです。
給付型の奨学金
給付型の奨学金には返済の必要がありません。
そのため、給付型奨学金はこの後説明する貸与型の奨学金と比較して採用基準が高く、支給された給付金の使途が限定されている制度が多いのが特徴です。
給付型の奨学金は、日本学生支援機構の給付型奨学金制度や、キーエンス財団の給付型奨学金などがあります。給付型の奨学金の中には、年間100万円以上の給付が受けられる制度も存在します。
貸与型の奨学金
貸与型の奨学金は卒業後に返済する義務を負うことになります。
給付型奨学金と比較すると採用基準が低く、支給された給付金を比較的自由に使うことができます。
返済の義務があるため、卒業後の返済計画を立てて利用することが求められます。貸与型の奨学金は、日本学生支援機構の第一種・第二種奨学金や公益財団法人日本教育公務員弘済会の奨学事業などがあります。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度
ここでは、利用者数134万人、総額1兆1千億円という国内最大の奨学金支援団体である日本学生支援機構(JASSO)の奨学金について紹介します。
日本学生支援機構の奨学金制度には「給付型奨学金」、利子なしで返済する「第一種奨学金」、利子付きで返済する「第二種奨学金」の3つがあります。
一つずつ見ていきましょう。
給付型奨学金制度
日本学生支援機構では、大学や専門学校で学ぶ意欲を持つ者が、経済的な理由で進学を諦めてしまうことがないように、2020年4月から新制度の給付型奨学金がスタートしています。
新制度の給付型奨学金の対象は、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校に進学・進級する、世帯年収や学力基準等の要件を満たす学生です。旧制度は、住民税非課税世帯であることに加えて、学習成績が優秀であることが必要な制度でしたが、新制度では学習成績は条件から外され、『学ぶ意欲』があれば給付を受けられる制度になりました。
また、新制度の特徴として給付型奨学金を受け取る奨学生は、授業料や入学金も免除・減額されるようになりました。ただし、授業料や入学金の免除・減額には別途申し込みが必要ですので、在学する学校に問い合わせしてみましょう。
給付型奨学金制度の支給要件は、『収入基準』・『資産基準』・『学習意欲』の3つの基準によって判断されます。
『収入基準』は、世帯収入に応じて3段階の基準(第I〜III区分)に区別され、家族構成によっても収入基準の基準は変わります。
詳細は日本学生支援機構ホームページの進学資金シミュレーターで確認しましょう。
『資産基準』は、学生本人と保護者の不動産を除く資産合計が2000万円未満、保護者が1人の場合には不動産を除く資産合計1250万円未満が条件となります。
『学力基準』は、将来、社会で自立して活躍する目標があり、その意欲をレポートなどの提出によって確認します。また、学力が一定以上であることも求められます。
入学後、単位が取れていなかったり学習意欲が低いと判断された場合には奨学金の支給が打ち切られてしまうこともあります。
利子なしで返済する第一種奨学金
貸与型の第一種奨学金は、特に優れた学生および生徒のために設けられている奨学金制度で、経済的理由により著しく修学困難な人に貸与することになっており、採用基準は厳しく設定されています。
第一種奨学金が受けられる家計基準は、大学・短期大学・専修学校(専門課程)へ進学予定の場合、 世帯の収入・所得によって次のように定められています。
- 3人世帯:給与所得での収入657万円、給与所得以外での収入が286万円未満
- 4人世帯:給与所得での収入747万円、給与所得以外での収入349万円未満
- 5人世帯:給与所得での収入922万円、給与所得以外での収入513万円未満
第一種奨学金制度を受けるための学力基準も設けられており、 高等学校または専修学校高等課程の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上であることが求められます。
借りられる金額は、私立の学校を自宅外通学する学生の場合で月額最大6万4000円です。
段階的に定められており、受け取りたい貸与金額を各自で選択します。
区分 | 自宅 | 自宅外 |
---|---|---|
国公立 | 2万円、3万円、4万5000円 | 2万円、3万円、4万円、5万1000円 |
私立 | 2万円、3万円、4万円、5万4000円 | 2万円、3万円、4万円、5万円、6万4000円 |
利子といっしょに返済する第二種奨学金
卒業後、利子を付けて返済する第二種奨学金の制度は、第一種奨学金とは奨学金を受けられる基準や貸与金額の仕組みが全く異なります。
第二種奨学金は大学・短大・専門学校などの種類や通学環境などに関係なく、下限2万円から上限12万円までから1万円ずつ、希望する月額を自由に選択できます。
さらに、私立大学の薬学部や獣医学部へ進学する人にはさらに2万円、医学部や歯学部に進学する学生には4万円がプラスされて、最高月額が12万円になります。
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奨学金の利用方法【マネープランから返済まで】
ここからは奨学金の利用方法についてご紹介します。
家族でマネープランを立てよう
大学・短大・専門学校へ進学するために掛かる学費等の支払いが、現在の貯蓄や収入だけでは厳しいのであれば、奨学金を利用することを検討しましょう。
その際に重視したいのが、卒業後に奨学金を誰が払うか、いつまでに払うかといった返済プランを決めておくことです。
原則として、貸与型の奨学金は20年以内に返済を済まさなければなりません。その奨学金をどうやって返済していくかについて家族間で話し合っておきましょう。
日本学生支援機構のホームページで、貸与・返還のシミュレーションができるので活用してみてください。
奨学金の申し込み方法
奨学金の申し込み方法には、予約採用と在学採用の2パターンがあります。
予約採用は、高校3年生の時点で申し込む方法で、進路未定でも申込みが可能。尚、浪人生は卒業後2年目(2浪)まで申し込みが可能です。
在学採用は、大学・専門学校入学後に申し込む方法です。募集は原則春の1回のみとなっていますが、例年、秋募集も行なわれています。
予約採用と在学採用の違いは申込みの時期だけではありません。奨学金の条件でもある「収入基準」の面で違いがあります。
在学採用は予約採用よりも収入基準の目安額が高く設定されています。また、「年間授業料+基礎額」が収入から控除されるため、予約採用よりも収入基準のハードルが低くなります。
予約採用では基準を超えている家庭も、在学採用なら利用できるかもしれないということを覚えておきましょう。
奨学金の返済方法
奨学金の返済は、「貸与期間終了の翌月から数えて7か月目」から始まります。
返還方式には、『定額返還方式』と『所得連動返還方式』の2種類があります。
毎月に同額ずつ返済するのが『定額返還方式』です。第一種奨学金、第二種奨学金いずれの場合にも選択可能です。
『所得連動返還方式』は所得に応じて月々の返済額が決定される返済の方式です。平成29年度以降に、第一種奨学金に採用された方のみが選択可能です。
途中で奨学金の返済が難しくなった場合には、減額返済制度や返還期限猶予制度、心身障害による返還免除が用意されています。返済が難しくなった時点で、利用している奨学金の団体へ相談するようにしましょう。
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まとめ
本記事では奨学金の使い方について説明してきました。貸与型など返済の義務を伴う奨学金の利用に不安を持つ人もいるでしょう。
しかし、事前に利用方法や返済の計画について家族と話し合っておけば、奨学金は非常に大きな助けになってくれます。
2020年度の大学生の奨学金利用率は49.6%にもなります。
大学生は授業料以外にも部活動や、サークル活動、将来のための資格所得などにもお金が掛かります。奨学金は、そうした学生生活を送るために様々な場面で活用できます。
奨学金は経済的な理由で進学を諦めてしまうことがないように作られた制度。自分の将来のためにうまく活用してください。
- 目標は志望校合格!目的は社会で活躍できる人づくり!