定期テストは捨てていい?受験前の高校生が知っておくべき定期テストとの付き合い方
高校3年生になると、いよいよ受験本番が近づいてきます。
限られた時間で、大学受験のための勉強をいかに効率良く行うことが重要になってきます。
「高校3年生でも、定期テストに向けて勉強をするべきなのか」
「定期テストを捨てて、大学受験に向けた勉強に取り組むべきなのか」
「定期テストと大学受験の勉強、どちらを優先すべきか分からない」
高校3年生は大学受験が控えている大切な時期なので、定期テストと大学受験の勉強の両立に悩む受験生も多くいることでしょう。
今回の記事では以下を中心に解説していきます。
- 定期テストを捨てるメリット
- 定期テストを捨てるデメリット
- 定期テストで捨ててもいい勉強
- 定期テストとの付き合い方
この記事を参考にすることで、自身が取るべき行動と勉強計画が明確になり、より勉強に集中し効率良く学習することができるでしょう。
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この記事のポイント
「定期テストを捨てる」とは
「定期テストを捨てる」といっても、定期テストを受けない、定期テストが0点でも良いという極端な話ではありません。
大学受験で受けない科目の他に、音楽、体育、家庭科、美術などの副教科においても最低限の点数は必ず取る必要があります。
また、定期テストそのものが受験に役立つこともあるので、定期テストを全て捨てるという考え方は危険です。
ここで言う「定期テストを捨てる」ということは、定期テストの勉強に時間を割くのではなく、できるだけ短縮する、という解釈とします。
自分に合った定期テストとの距離感を意識して、上手に付き合っていきましょう。
定期テストを捨ててはいけない受験生
注意点ですが、総合型選抜や推薦入試を目指す受験生は、定期テストを捨ててはいけません。
高校の定期テストの成績が評定に反映されてしまうため、定期テストの結果次第では総合型選抜や推薦入試で受験することができなくなってしまいます。
そのため、定期テストで高得点を取れるよう、しっかりと対策行う必要があるのです。
ここから総合型選抜や推薦入試ではなく学力テストを受ける一般入試を受験する高校生を対象とし、定期テストを捨てるメリットや科目などを具体的に説明していきます。
定期テストを捨てるメリット
一般入試を受験する高校生にとって、定期テストを捨てることには幾つかのメリットがあります。
生真面目な学生ほど、定期テストを捨てるという選択は考えにくいものですが、捨てるメリットを知ることで上手に定期テストと付き合うことができるでしょう。
大学受験の勉強時間を確保できる
定期テストを捨てる1番のメリットは、大学受験の勉強時間を確保できることです。
高校生活は時間が限られており、大学受験で志望校合格を目指すには時間を効率的に使わないといけません。定期テストを捨てることで、その空いた時間をそのまま大学受験の勉強時間にできます。
定期テストの出題範囲を網羅的に学習することは、大学受験を勉強する観点からすると効率が悪いです。
たとえば、志望する大学の受験科目に英語がなかった場合、受験に必要ない英単語や長文読解などを熱心に勉強しても学校での成績がよくなるだけです。学力検査が必要な一般入試において、大学に合格する可能性は変わっていません。
これでは大学受験の勉強として、時間の使い方は上手くありません。
定期テストを捨てることで、大学受験で合格を勝ち取るための勉強時間を確保できるのです。
目標が明確になる
定期テストを捨てることで、目標が明確になり、大学受験の勉強により集中できるというメリットがあります。
時間がいくらあっても足りないのに、定期テストに時間を割いてよいのか悩む方も多いでしょう。
とくに受験と関係のない科目の定期テストとなると、「これで大学に合格できるのかな…」と不安になり、結局どちらの勉強も集中できすパフォーマンスが低下するという事態になりかねません。
一般入試で大学受験する方にとって大事なのは、志望大学に合格することで、目先の定期テストで良い成績を取ることではありません。
定期テストを捨てることで、定期テストで悩むことが無くなり自分の目標が明確になります。受験勉強にも身が入りやすくなるでしょう。
受験に必要なことを再確認できる
定期テストを捨てることで、受験に必要なことを再確認できるメリットがあります。
定期テストを捨てるかどうかは、自分が受験する大学の科目や出題範囲、過去に出題された問題などを把握したうえで行うのが鉄則です。
志望大学の受験情報を知らないと、定期テストのどの部分を捨ててよいのかを判断できません。結果、来たる一般入試でどこまでの範囲を勉強しないといけないのかを再確認できるのです。
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定期テストを捨てるデメリット
定期テストを捨てるメリットを紹介してきましたが、デメリットもあります。
ちゃんとデメリットを知った上で、定期テストを捨てるかどうか判断しないといけません。
高校の成績が下がる
定期テストを捨てることのデメリットとして、高校での成績が下がることが挙げられます。
あまりに定期テストの成績が悪いと赤点となり、単位を取得できないということもあり得ます。
補習や追試など、大学受験の勉強時間が結果的に減ってしまうというリスクもあるのです。
さらには、留年してしまう可能性もあるため注意しなければなりません。
奨学金が借りにくくなる可能性がある
定期テストを捨てることで成績が下がると、奨学金が借りにくくなる可能性があります。
奨学金を借りられるかどうかは家庭の収入も関係しますが、子どもの学業成績も評価対象となります。
たとえば日本学生支援機構(JASSO)では、奨学金に関わる高校での学力基準が設けられています。
奨学金の種類によっても違いますが、第一種貸与奨学金の場合は、「全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること」とされています。
参考:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/taiyo/taiyo_1shu/gakuryoku/yoyaku.html
定期テストなどの成績によっては学力基準を下回る可能性もありますので、奨学金を借りることを考えている高校生は注意しましょう。
定期テストで「捨ててもいい勉強」
大学受験に関係ない科目であれば、定期テストで捨ててもいいと考えて良いでしょう。
一方で、受験に関係している科目ですが「捨ててもいい勉強」もあります。
入試に役に立たない勉強、つまり定期テストで「捨てるべき勉強」を解説していきます。
英語の長文
英語で捨ててもいい勉強は、長文問題です。
英語の長文は、教科書で学んだ内容がそのまま問題として出てくることがあります。
たとえば、「本文の中に空欄があり、そこを埋めなさい」というような問題です。これは教科書の本文と和訳を全て暗記していれば解くことができます。
丸暗記という対処をすれば、英語の文章の構造や英文法、熟語などを理解せずとも解けてしまうのです。
もちろん丸暗記すれば得るものもありますが、大学入試では初見の文章を自分でリーディングしていく力が要求されるため 、大学受験の勉強とは直結しません。
意味や構造を理解せず、そのまま丸暗記するという勉強方法は捨てましょう。
国語の古文と漢文
次に国語で捨てるべき勉強は、古文と漢文が挙げられます。
古文と漢文も英語長文と同様に、授業中に何度も学んだ本文が出題されます。
暗記で点数が取れる定期テストとは違い、実際の大学入試では初めて見る長文を読解していき、限られた時間の中で設問を解いていく力が必要となります。
国語において、古文文法や文構造を理解せずに丸暗記だけするという勉強は捨てましょう。
また大学受験対策として現代文、古文、漢文の問題に慣れるためには教科書だけではなく、過去問や参考書を利用し多くの文章と接するのが効果的です。
定期テストと上手に付き合う方法
定期テストを捨てるといっても、定期テストそのものを受けない訳にはいきません。
ここでは、定期テストを受験に役立てる考え方や練習方法を紹介していきます。
大学受験の練習にしてしまう
定期テストと上手に付き合うために、大学受験本番を想定した練習と考えて取り組むのはおすすめです。
定期テストで出題された初見の問題や難易度の高い問題に挑むことで、自分の実力がどのくらいなのか試せますし、テストに慣れることができます。
授業を聞いたり、学習したことを復習したり、参考書を解くだけでは、本当に自分の力が発揮できるのかわかりません。
定期テストであれば、ある程度の緊張感のなかで時間配分を考えて問題を解かないといけませんし、今の自分の実力が点数でわかります。大学受験の出題範囲と重なっていれば、苦手な分野や範囲を認識することもできます。
大学受験の練習として、定期テストをうまく活用しましょう。
定期テストの時期をモチベーションアップにつなげる
定期テストをうまく利用すれば、自分のモチベーションアップにつなげることができます。
大学受験本番までの長い期間、受験勉強のモチベーションをずっと維持することは難しいですよね。定期テストは1年の間で4~6回程度実施されますが、開始される1~2週間前から定期テストに向けて勉強を開始する高校生は多いです。
学校や周りの環境など、全体的に「勉強をしなければならない」という雰囲気が定期テスト前には生まれます。
人間は環境に影響されやすい生き物で、気分や意欲が変化していきます。ピリピリした緊張感に自分の身を置くことで、勉強意欲も自然と上がってきます。
長い大学受験を乗り越えるためにも、定期テストの時期を利用して勉強のモチベーションアップを図りましょう。
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まとめ
この記事では、定期テストを捨てるメリットやデメリット、定期テストと上手に付き合う方法について紹介しました。
定期テストを捨てることで、いっそう大学受験に集中できますが、学校の成績に影響が出る可能性もありますので注意しましょう。特に総合型選抜や推薦入試を狙っている方にとっては、定期テストはとても大事なので気をつけてください。
志望大学の受験に関係のない科目や範囲が何かを理解して、自分にとって定期テストを捨てることがベストな選択なのかをしっかり考えましょう。
受験する科目が同じであれば、定期テストの勉強は大学受験で活かせます。 捨てる部分、捨てない部分を見極めて、定期テストと上手に付き合うようにしてください。