知らないと損!関関同立を目指す受験生のための入試情報!
関西で大学受験を控える高校生の中には、レベルも高く人気のある関関同立を目指す受験生も多いのではないでしょうか。
関関同立とは、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学という関西にある4つの難関私立大学をまとめた略称です。
難易度や偏差値を関東の私立大学と比較すると、GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)と同等かやや下のレベルで、関西の産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)より上という位置付けになります。
今回は、来年2022年の関関同立の合格を勝ち取ることをテーマとして、今年2021年の入試結果を振り返りながら、来年の受験合格に向けてどのように勉強すればいいのか、受験するにあたってどのような心構えが必要になるのかを解説していきます。
2022年2月に実施される関関同立の一般入試までに、取り組むべき対策を理解しておきましょう。
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この記事のポイント
2021年の関関同立の入試結果と2022年の入試予想
今年の大学入試は、「コロナウイルスの流行」という例年にはない状況での入試となりましたが、関関同立の入試結果はどうだったのでしょうか。
これから関関同立4大学の入試結果について詳しく見ていきます。
今年の関関同立は4大学とも合格しやすい年だった
今年の関関同立は全体として倍率が下がり緩やかな結果になりました。
コロナ禍の状況で受験生は受験校を絞り込み、また「浪人だけは避けたい」という気持ちから安全志向が強くなり、産近甲龍に流れたり、さらにそれよりも下の大学へとランクを下げたことが考えられます。
また、近畿大学の公募推薦が緩和された影響で、近畿大学の倍率が下がって合格者が増えた結果、関関同立の受験を待たず、受験を終えようと考えた受験生が多かった可能性もあります。
では、ここからは関関同立4大学各々の入試結果を大学別に見ていきましょう。
【関西大学】多くの学部で倍率が下がり例年よりも合格しやすい年だった
関西大学は上記の資料の通り、一般入試の3教科受験や2教科受験の全学日程1と2の合計で見ると、志願者は今年は若干減少している学部もありますが、全体的には昨年と比べてもそこまで多くは減っていません。
合格者は、昨年2020年と比較して、外国語学部、環境都市工学部では減っていますが、多くの学部で合格者が増加しています。
倍率を見てみると、ほとんどの学部が昨年よりも下がっており、特に社会安全学部は昨年の10.3倍から6.3倍、人間健康学部は昨年の11.0倍から6.8倍まで大きく下がっています。
しかし、倍率が下がったといっても5倍を超えている学科が多く、関西大学は他大学と比べても難易度が高いという状況に変わりはありません。
(同じ学科でも試験日が違えば1人で何度も受験できるため、実際の倍率はそこまで高くありません)
【関西学院大学】理系学部は人気を集めたが全体として倍率が下がった
関西学院大学は理系学部がリニューアルして、工学部、生命環境学部、建築学部が新たに設置され、理系学部については受験生を集めた人気の大学になりました。
その一方、文系学部は昨年と比べて志願者を大幅に減らしており、関関同立の中でも人気に陰りが出ている大学かもしれません。志願者を減らしたにも関わらず、合格者は増えているため、倍率は大幅に低下しています。
人気のある国際学部は6.6倍の倍率がありますが、他の学部については昨年、一昨年と比較しても大幅に倍率が下がっています。
一般的に倍率が4~5倍になると合格しにくい状況ですが、関西学院大学の今年は倍率2~3倍の学部が多くて合格しやすい状況だったと考えて良いでしょう。
しかし、志願者が減ったのに合格者は増え、倍率が低いこの状況を見ると、「関西学院大学は受かりやすい」という印象を与え、来年は志願者が増える可能性があります。
安易な考えで受験すると失敗する場合もありますので、例年通りの倍率になる可能性も考えて、しっかりと対策をして受験することが必要です。
【同志社大学】倍率は低めだが合格が簡単になったわけではない
同志社大学は他の大学と同じように、志願者は若干減少していますが、合格者は増えていますので、倍率は下がっているという状況です。
ただし、同志社大学は阪大・京大も含めて国公立大学の併願で受ける受験生が多く、もともと倍率自体は高くないものの、受験生の学力の水準が非常に高いため、「なかなか合格できない」というのが特徴です。
チャレンジで受けるという人が少なく、より確実なライン上の人がたくさん受験するのが同志社大学なので、見た目の倍率を真に受けてはいけません。
関関同立の中では最高水準の大学であると考えて受験することが重要です。
【立命館大学】人気の高い大学だが、今年は志願者数が大きく減った
立命館大学は関関同立の中でも受験生を多く集めている大学でありながらも、関関同立の中で志願者が最も減った大学になります。
基本的に関関同立の入試は関西圏からの受験者が多くなりますが、立命館大学は全国から受験する人が多いという特徴があります。
今年2021年の1~2月は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国的な傾向として受験がしにくかったという状況があり、関西圏以外から受験する生徒が少なかったということが考えられます。
ほとんどの学部で志願者は減ったものの、合格者が増えているため、倍率は低下しています。
例えば、経済学部、経営学部では志願者が大幅に減っていますが、合格者は増えているため、大幅に倍率は下がりました。
ただ、立命館大学の昨年の入試が難しすぎたため、コロナに関係なく受験を避けたという可能性もあります。
昨年に倍率が高かった学部は、今年は倍率が下がっており、コロナの影響だけではなく昨年難しかったから今年は避けておこうという「隔年現象」が起きて、単純に受験を避けられたということが考えられます。
来年は志願者を集めて倍率がもとの水準に戻る可能性もあるので注意しましょう。
2022年の関関同立の入試は厳しくなる可能性が高い
志願者が減少した翌年の入試は、受験者が増加する傾向にあり、現在の高校3年生が受験する年は厳しくなる可能性があります。
今年の入試結果だけを見て受験を安易に考えるのではなく、しっかりとした対策を練って受験に向かうことが大切になります。合格の難易度が上がる可能性もあるため、産近甲龍のどこかを受験しておいたほうがよいでしょう。
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関関同立に合格するための「英語」の対策
英語で高得点を上げるには、難解な長文を読むために必要な「語彙力」「読解力」「解答力」の3つの力を身に付けておく必要があります。
受験用単語帳を1冊仕上げて「語彙力」をつける
語彙力がなければ英語の受験対策ができないため、受験用単語帳1冊をきちんと仕上げることを目標にしてください。
単語帳に載っていないような難解な単語も出題されるため、日々の単語の暗記に加え、さらに過去問を練習して難解な単語も覚え、語彙力の上乗せをしていくことが大切です。
英単語の暗記が苦手だという人は、やる気を失ってしまうこともあるかもしれませんが、それを我慢して乗り越えられるかどうかが受験で勝つポイントになるでしょう。
日頃から「読解力」をつける練習を積んでおく
日頃から長文を読む訓練を積んで読解力をつけるようにしてください。
漫然と文章を読むのではなく、意味をつかみながら、テーマは何なのか、問われているのは何か、どこに着目したらいいのかを考えながら文章を読む習慣をつけましょう。
文章は英語で書かれているものの、日本語で書かれていたとしても難しいテーマも出題され、ただ読んでいるだけでは意味が頭に入って来ないため、どこがポイントなのかをしっかり意識しながら読む練習が必要です。
返り読みすることなく、意味を素早くつかむことができるようになることを目標にして勉強してください。
確実に得点をしていくための「解答力」をつける
合格するためには知識だけでは解けない問題を解く必要があります。
前後の文脈から判断する問題も多いので、過去問などで文章全体の趣旨をきちんと理解するようにしましょう。
そのためには、抽象的な表現や比喩表現を前後の文脈の中で読み取る練習をしておく必要があります。
どの教科にも言えることですが、ケアレスミスをなくし、基本問題は絶対に落とさないことが大切です。基本問題でしっかり得点した上で、難易度の高い問題をどれだけ取れるかで勝負が決まります。
関関同立に合格するための「国語」の効果的な勉強法は?
現代文や古文を受験勉強という観点で勉強したことがない人もいるかもしれませんが、文系の場合だと、英語200点、国語150点、社会100点という配点もあり、国語も決して軽視はできません。
国語も手を抜かずに対策を練っておくことが必要です。
現代文
現代文は文章の要旨をつかむ練習をすること
日頃から問題演習を通じて評論や小説を読む訓練をしないことには現代文の力はついていきません。
文章全体の要旨をつかむための訓練が必要ですので、意味段落分けやタイトル付けの練習、文章の要旨をまとめる練習をしておきましょう。
よく使われるキーワードを勉強しておく
入試の現代文には、高校生が普段使わないような独特な表現、難しい文学的な表現が出てきますので、キーワード集などで基本的な語彙を理解しておきましょう。
漢字を書くだけではなく意味を理解しておく
漢字が書けるだけではなく、その漢字が何を意味しているのか理解していないと、解けない問題が出て来ますので、漢字の知識を身に付けておく必要があります。
「記述問題」は本文中から答えの要素をつなぎ合わせる
記述問題については、一文→文章→段落→全体像の把握というように、本文中から要素を抽出してつないで読めるように練習をしてください。
古文
基本的な「古文文法」や「古文単語」をまず覚える
助動詞が全部言えるか、活用が全部言えるか、助動詞の識別ができるかといった基本的な古文文法の知識は習得しておいてください。
古文単語を知らなかったら問題が解けませんのでしっかり覚えましょう。
本文を読む前に設問をチェックする
問題を解くときには、本文を読む前に設問をチェックしましょう。そして、正しい選択肢を選ぶ上での根拠になる部分を本文に求めて、その周囲と選択肢を照合することも大事です。
「古文常識」や「作品知識」の背景知識を増やす
古文を正確に読み取るには、文法や古文単語の知識はもちろん、人物判定法を軸とした読解方法を身に付け、古文常識や作品知識を増やしていくことがポイントになります。
「社会」や「理科」の対策は後回しにしない
文系の「社会」、理系の「理科」は、後回しにせず早期に対策を始めてください。
配点が低いとはいえ、多くの受験生が高得点を取ってきますので、あなどれない教科です。
関関同立に合格するには、英語や国語と合わせ、理科と社会の対策もバランスよく行うことが必要になります。
関関同立の受験を成功させるために必要なこと
難関私立大の関関同立の合格を手にするには、志望校を決め、模試を受験して自分の学力と合格ラインとの差を把握し、その差を埋めていくための対策をすることが大事です。
まずは「志望校」を決めることから始める
関関同立に合格するための受験の心構えとして最も大事なのは「志望校」を決めることです。
1つの大学に絞る必要はありませんが、受験勉強をするにあたり、受験する大学・学部を決め、入試の各科目の傾斜配点、ボーダーラインを知っておく必要があります。
受験対策には「模試」の受験が必須
自分の現時点での学力の把握、関関同立にどれくらいの学力が必要なのかを知るは「外部模試」を受験することでしかわかりません。
日本全国の受験生が受ける模試の偏差値により、現在の自分の学力がどれくらいなのかを客観的に把握し、2月の関関同立の入試までに「何を」「どのような時期に」「どうやっていくのか」を逆算して考えていくことが重要になるでしょう。
模試を受けないと何の対策もできませんので、2021年9月~11月に開催される模試は、特別な理由がない限り積極的に受験するようにしてください。
近畿大学の公募推薦を受験しておく
関関同立を目指す受験生にとっては「すべり止め」の位置づけになるかもしれませんが、今年2021年の11月の公募推薦入試を受験しておくことをお勧めします。
たとえ本命でなくても産近甲龍に合格しておけば1つの安心材料になりますし、来年の2022年に近畿大学の一般入試を受ける必要がなくなるため、同じタイミングで実施される関関同立の入試に集中できるメリットがあります。
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まとめ
今年2021年の関関同立4大学の入試は、コロナが流行した影響などもあり、全体として例年よりも倍率が下がって合格しやすい結果になりました。
ただし、今年は比較的合格しやすい年ではあったものの、志願者が減った翌年は増加する傾向があるため、来年の入試は厳しくなる可能性が高いです。
受験を安易に考えず、「外部模試」を受けて自分の弱点を把握して、入試までにしっかりと対策を練って準備していきましょう。