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無償化の所得制限を撤廃?人気の「大阪公立大学」について詳しく解説

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無償化の所得制限を撤廃?人気の「大阪公立大学」について詳しく解説

大阪府は2023年5月9日、大阪府の高校と大阪公立大学の授業料無償化について「2024年度から3年間かけて、所得制限を撤廃する方針」と公表しました。

この公表により、よりいっそう大阪公立大学への注目が集まっています。

この記事では、大阪府の無償化政策について分かりやすく解説した上で、「大阪公立大学」について紹介していきます。

大阪公立大学を志望している方や検討中の方、進路に悩んでいる方は是非参考にしてください。



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大阪府の無償化制度について

2023年5月9日の公表を受け、大阪府の高校や公立大学の無償化が開始されると思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし実はすでに、大阪府はこれまでも高校や公立大学の無償化を進めてきています。

現行の制度も踏まえて今回の無償化の公表や制度の開始方法、対象となる大学などを詳しく解説していきます。

大阪府の無償化の対象となる大学

現在も無償化を進めている大阪府ですが、大阪府内すべての大学が対象となっている訳ではなく、「大阪公立大学」を含むいくつかの大学が対象となっています。

今回の公表で「大阪公立大学」のみが対象となっているのはなぜでしょうか。

※この項目での対象となる大学は大阪府の「授業料等支援制度」の対象校であり、国の制度である「高等教育の修学支援新制度」の対象校とは異なります。

無償化の対象となる大学を分ける大きなキーワードは「所得制限の撤廃」です。

  • 大阪公立大学・大阪府立大学、大阪市立大学及び大阪公立大学工業高等専門学校
    ⇒年収590万円未満の世帯のみ無償化
  • 大阪公立大学
    ⇒年収に関係なく無償化(所得制限の撤廃)

現在の対象校と5月9日公表の対象校はこのような違いがあります。

今のところ大阪公立大学は大阪府の完全無償化制度を唯一、用いることが可能な大学です。

それでは現行の無償化制度を詳しく見ていきましょう。

現行の無償化制度

2020年度から全国の大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に通う学生を対象とした「高等教育の修学支援新制度」が開始されました。

要件を満たした年収270万円未満の世帯は「授業料等の減免制度」と「給付型奨学金」の支援を受けることで授業料等を無償化するという制度です。

高等教育の修学支援新制度:文部科学省
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm)

しかし「年収270万円未満」が対象というように、世帯の範囲が狭く限定されてしまいます。

より多くの世帯が授業料無償化の制度を受けられるよう、大阪府は国の制度の開始に合わせて同じく2020年度から在住要件や対象校を限定したうえで世帯収入の上限を緩和した独自の無償化制度を設けました。

現在の制度では年収910万円未満の世帯で高校や公立大学の授業料を全額免除、もしくは軽減。年収590万円未満の世帯では授業料が実質全額免除されています。

※学部生・学域生のうち年収380万円未満で支援を受ける場合、全額、又は一部では国の制度を受けることになるため、大阪府の申請とは別に国への申請を行わなければなりません。国への申請を行わず大阪府の申請しか行っていない場合、国制度の支援が受けられなくなりますので注意しましょう。

5月9日の大阪府の公表について

今回の5月9日に公表された大阪府の素案は、上記のような世帯年収590万円未満などで対象を限ってきた制限を撤廃するというものです。

親の所得や子の人数に制限なく、府内のすべての高校や大阪公立大学の学生の授業料を「完全無償化」していきます。

2024年度から段階的に開始し2026年度の入学者からは4年間完全に無償となる方針です。

大阪公立大学の進学は無償化されるため、一般的な国公立大学に通うよりも経済的に負担の軽減が図れる制度となるでしょう。

完全無償化への流れ

大阪府の無償化政策は2026年度には、学生全員の無償化を想定しています。

不平等がなるべく生じないように、2024年度から段階的に開始される予定です。

たとえば大阪公立大に進学する場合、大学進学後の無償期間に差が出ないよう、現在の高校2~3年生は、いずれも大阪公立大学1年時は有償、2年時以降は無償というように設計されています。

  • 2024年に4年生のみ、所得制限なしで完全無償化
  • 2025年度に2~4年生を所得制限なしで完全無償化
  • 2026年度に1~4年生の全学年が所得制限なしで完全無償化

大阪公立大学では、2024年度に段階的に4年生から無償化が始まり、2026年度に全面適用となります。

大阪公立大学の無償化の条件

大学で唯一、無償化の対象となっている大阪公立大学ですが、無償化制度を利用するには幾つかの条件があります。

現在の制度では、「家計の経済状況に関する要件」を除いて、以下の要件を満たす必要があるので確認しておきましょう。

  • 学生等の要件
    年度によって対象になる学年が異なるため、年度が変わるごとの確認が必要。
  • 府内在住要件
    入学時、初回申請時:制度を受ける学生本人と生計維持者(原則として父母)が入学する日の3年以上前から大阪府内に住所を有していること。
    在学中(継続申請時):毎年度4月1日に、制度を受ける学生本人と生計維持者(原則として父母)が大阪府内に住所を有していること。
  • 国籍・在留資格等に関する要件
    日本国籍を有している場合は全学生が対象。有していない学生は要件あり。
    大阪府「国籍・在留資格に関する要件について」:https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/36987/00000000/kokusekiyouken.pdf
  • 大学等に入学するまでの期間等に関する要件
    高校を初めて卒業した年度の翌年度の末日から入学日までの期間が2年を経過していない、などの要件あり。
  • 学業成績等に関する要件
    入学時(入学年度)の要件はありませんが学修計画書等の提出が求められる。
    入学後(次年度以降)、在学中(継続申請時)では学業成績の要件がそれぞれ設定されている。要件を満たさない場合、支援認定の取り消しになる場合もあるので注意が必要。

詳細は以下をご確認ください。

大阪府「大阪公立大学・大阪公立大学高専等の授業料等支援制度について」:https://www.pref.osaka.lg.jp/fukatsu/musyo/index.html

今後の制度案によっては要件が変更になる可能性はありますが、引き継がれた場合に特に注意が必要なのが「府内在住要件」です。

大阪府外の人が大阪府に引っ越してすぐに、無償化政策の恩恵を受けられる訳ではないので注意しましょう。

大阪公立大学と一般の国立大学で比較

大阪公立大学と一般の国立大学で、どれだけ経済的に差がでるのか気になりますよね。

年収590万円未満の世帯で、経済的にどのくらいの差があるのか解説をみていきましょう。

【一般的な国立大学の授業料等の金額例】
入学金:282,000円
一年間の授業料:535,800円

単純計算すると、在学4年間の総額は2,425,200円となります。

文部科学省「【参考2】国公私立大学の授業料等の推移」:https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_5.pdf

大阪府民として大阪公立大学に行くことで、およそ250万円近く経済的に差が出ることになります。

無償化の対象「大阪公立大学」はどんな大学?

多様性を重んじる「大阪府立大学」と、日本で初の市立大学として設立された大阪商科大学を前身とした「大阪市立大学」が合併し、2022年の4月に新しく「大阪公立大学」として開学しました。

新しい大学のため歴史と実績はまだありませんが、人気の高い大学として知られており、各メディアが掲載している人気ランキングでも、1位になることは少なくありません。

「大阪公立大学」はどのような大学なのか、詳しく見ていきましょう。

大阪公立大学の特色と規模

大阪公立大学は1学域・12学部の総合大学へと発展を遂げ、研究や学習の土台となる基礎教育が徹底しています。

  • 現代システム科学域
  • 文学部
  • 法学部
  • 経済学部
  • 商学部
  • 理学部
  • 工学部
  • 農学部
  • 獣医学部
  • 医学部 医学科
  • 医学部 リハビリテーション学科
  • 看護学部
  • 生活科学部

様々な分野の学問領域があり、専門性や国際性にも力を入れて社会に貢献する人材を育てます。

授業科目に関しては400科目以上あり、他にも類を見ないほど幅広い学問領域といえるでしょう。また、細部まで行き届く質の高い教育を提供するため、少人数教育を採用しています。

規模としては大学院生を含めると、約16000人の学生が在籍しており日本でも最大規模となります。

国公立大学としては東京大学、大阪大学、京都大学に次いで、日本で第4位の規模です。

大阪公立大学の強みと特徴

他の国立大学と異なる大阪公立大学ならではの強みがあります。

ここでは大阪公立大学ならではの特徴を3つ紹介します。

1.ゼミを初年度から行う

大学でゼミが始まるのは通常は3~4年生から行うことがほとんどです。

しかし大阪公立大学では、1年生の必修科目としてゼミに参加するかたちを採用しており、自分の興味や学びたいものを、多彩な幅広い学問分野から内容を選べるようになっています。

グループワークやディスカッションなどを通じて、早い段階で自ら能動的に学ぶ姿勢が身につくでしょう。

2.グローバルな体験ができる

大阪公立大学では300の大学と海外交流協定を締結しています。

数多くの留学生を受け入れており、普段の日常から多様性や異文化、言語に触れる機会を提供しています。

日本国内にいながらグローバルな体験を行うことができる環境が整っているので、国際的に活躍したい方にとって魅力のある大学と言えるでしょう。

3.注目の「健康・スポーツ科目」がある

大阪公立大学ならではの科目に健康・スポーツ科目があります。

健康やスポーツ文化などを様々な視点で研究して、健康的な生活習慣を形成するスポーツとの関わり方を学ぶ科目です。

専門科目に注目が集まってしまいますが、健康科目では人生100年時代ともいわれる、現代において誰もが必要な健康と身体について深く理解していくことができるでしょう。

座学だけにとどまらず、実技や実践を通しつつ人生を健康な身体で過ごしていくスキルを身につけることができます。

大阪公立大学のキャンパス

前述したように大阪公立大学は1学域・12学部から構成され、幅広い学問領域となっています。

そのため学生数が多く、キャンパスも多数存在します。

キャンパスはもともとの大阪市立大学と大阪府立大学の既存のものを残しており、大阪府内に以下の5つがあります。

  • 阿倍野キャンパス
  • 杉本キャンパス
  • りんくうキャンパス
  • 中百舌鳥キャンパス
  • 羽曳野キャンパス

また、2025年4月には新たにメインキャンパスとして、森之宮キャンパスが開設予定です。

近くに大きな公園がありアクセスも良い立地なので、さらに人気が高まることが予想されます。

大阪公立大学の入試形態

偏差値や難易度を把握した上で、入試情報も頭にいれておきましょう。

大阪公立大学の入試形態は以下のようになっています。

  • 一般選抜
  • 特別選抜

基本的に、一般選抜試験が主体の入試形態です。

一般選抜では大学入学共通テストと学部・学域ごとに異なる試験が実施されます。

学部・学域によっては、総合型選抜、学校推薦型選抜などを行っています。

総合型選抜試験、学校推薦型選抜試験では、大学入学共通テストと書類審査、面接、小論文などが実施されます。

自分が希望する学部があれば、試験方法は必ず確認しておきましょう。



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まとめ

この記事では、大阪府の無償化政策と、大阪公立大学について解説してきました。

大阪公立大学を志望する方だけではなく、大学受験を控える大阪府民であれば、必ず知っておきたい情報です。

高い人気を誇る大阪公立大学が所得制限を撤廃するとなれば、より一層注目されることでしょう。

今後も追って無償化政策の発表があることが予想されるので、情報収集を欠かさないようにしましょう。

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