大学受験に内申点は影響する?一般入試と推薦入試での違いと、内申点を上げるためのポイント
「大学受験に内申点は影響するのか」「そもそも内申点って何なのだろう」と思っている高校生は少なくありません。
よく耳にする「内申点」という言葉ですが、実際に大学受験でどう関係しているのでしょうか。その影響について、きちんと理解しておきたいところです。
当記事では、「内申点」や「内申書」など基本的な用語の意味から、大学受験と内申点の関係性、内申点を上げる方法について解説していきます。大学受験を控えている高校生はぜひ参考にしてください。
あなただけの戦略で国公立・関関同立合格を目指す!
大学受験 個別戦略指導会
この記事のポイント
内申点とは?
まず最初に、内申点について正確に理解しておきましょう。
内申点だけではなく、大学受験において耳にすることの多い内申書と評定平均についても解説していきます。
内申点
内申点とは、それぞれの教科の成績を5段階または10段階で算出した点数です。
各教科の成績は定期テストの点数だけで決まるわけではありません。小テストや提出物の評価、普段の授業態度などを見たうえで、担当教師が内申点を出していきます。
算出方法は教科を担当する教師によって異なるので、内申点を上げたい人は確認しておきましょう。
通常は1学期の最初に配られる資料や説明会で各教科の評定算出について説明があります。それぞれの担当教師が出した評定をすべて足した数値が「内申点」になります。
内申書
内申書とは、成績や行動などを総合的に評価して記録した文書です。その生徒の人物像を理解するための資料として使われます。
学業成績や出席状況、クラブ活動、教師からの評価などが記録されており、学校外での活動やコンテストでの受賞などの情報も含まれます。
文部科学省が内申書のテンプレートを公開しており、学校によって記載内容が変わることはありません。
学業成績以外の様子も詳しく記載されるので、校内のイベントに積極的に参加するなど普段の学校生活から注意を払っておく必要があるでしょう。
評定平均
評定平均とは、1から5で各教科の評定(成績)を平均した数値のことを指します。
内申点と似ていますが、内申点全科目の評定を合計したものが「内申点」、その内申点を科目数で割った数字が「評定平均」になります。
たとえば、10科目の評定の合計が40点だった場合、内申点は40点、評定平均は4点(40÷10=4)になります。
また、評定平均は定期テストなどの成績で評価されるため、内申点と違って授業中の態度や取り組む姿勢などは評価に含まれません。
高校1年生から3年生の1学期までの成績で評価されるので、高校入学から良い成績を取れるよう、勉強に取り組む必要があるでしょう。
【入試別】大学受験における内申点の影響
内申点が大学受験に影響するのかどうか。「一般入試」「推薦入試」の2つの入試パターンに分けて見ていきましょう。自分の受験する方法に合わせて、チェックしてみてください。
一般入試への影響
一般入試の場合は、内申点はあまり大きく影響しません。
基本的には筆記試験の結果で、合格・不合格が決まるからです。たとえ内申点の点数が悪くても、本番の試験で良い結果さえ出せれば合格する可能性は十分にあります。
とはいえ、内申点がまったく入試に影響しないというわけではありません。大学や学部によって異なりますが、仮に試験で同じ点数の受験生がいた場合には、内申点で合否が決まることもあります。
欠席が多かったり、極端に悪い評価の教科がある場合は、一部影響を与える可能性があるので注意しましょう。
学校推薦型選抜への影響
一般入試と違って学校推薦型選抜の場合は、内申点が合否に大きく影響します。
学校推薦型選抜は筆記試験を実施しない大学が多く、内申点や面接、小論文で合格が決まるからです。
また、学校推薦型選抜には「公募制」と「指定校制」があり、どちらの入試方法で受けるかにより内申点の影響も変わってきます。
公募制推薦は大学側の出願基準を満たした生徒で、学校長の推薦があればどの生徒でも受けることができる受験方法です。
大学の出願基準で「内申点〇点以上」などという要件があるため、内申点が基準を満たしていないと受けることができません。ただし、仮に公募制推薦で不合格になっても、一般入試を受けることも可能です。
指定校推薦は大学側の指定を受けた高校の生徒しか受験できません。指定校の中でも成績上位者が合格できるため、内申点を上げておくことは重要です。内申点が低いと、高校内の選考に落ちてしまうので注意しましょう。
総合型選抜への影響
総合型選抜は旧AO入試のことで、学業の成績だけではなく、小論文や面接、活動報告書などを通じて個性や多面的な能力が重視されます。
受験する大学にもよりますが、内申点の影響は少ないと考えていいでしょう。
ただし、大学によっては全体的な評価の一部として考慮されることもあります。総合型選抜で受験を考えている方は、事前に志望する大学の入試要項やウェブサイトで具体的な情報を確認しておきましょう。
奨学金の活用に影響する場合がある
内申点は大学の入試だけでなく、奨学金の活用に影響する場合があります。
奨学金は申請する高校生の学業成績を考慮するので、内申点は重要な指標の一つになるのです。
特に、お金の返済が必要ない「給付型奨学金」や、利息なしで借りられる「貸与型奨学金」の場合は、基準となる内申点の点数が高い傾向にあります。
奨学金制度を提供している「独立行政法人 日本学生支援機構」によると、給付奨学金の学力基準は「高校学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること」とされています。
内申点だけが判断基準ではありませんが、大きなポイントになることは間違いないでしょう。
内申点の影響力は大学によって異なる
一般入試でなく、学校推薦型選抜の場合は大学によって内申点の影響力が変わってきます。
自分の受けたい大学が、どれだけ内申点を重要視するのか気になるところです。
たとえば、神戸大学の学校推薦型選抜は、経営学部、経済学部、医学部、国際人間科学部で実施されています。各学部が定めた評定平均が出願要件となっており、特に医学部では高い評定平均が求められているので、内申点を上げておくことが必須です。
志望校が決まったら、必ず大学のホームページの募集要項を細かく確認しましょう。
あなただけの戦略で国公立・関関同立合格を目指す!
大学受験 個別戦略指導会
内申点を上げるためのポイント
これまで解説してきたように、大学受験において特に学校推薦型選抜で受験する場合、内申点はとても大事になってきます。
ここからは、内申点を上げるためのポイントをみていきましょう。
定期テストで良い成績を取る
内申点を上げるには、定期テストで良い成績を取ることが1番大事になります。
先述したように、内申点は、学校での学習成績や態度、参加度などを総合的に評価して点数がつけられます。そして定期テストの成績は、これらの評価の中で大きな割合を占めます。
定期テストで高い成績を取ることは、内申点を直接的に向上させる最も明確な方法の一つといえるでしょう。
そのためには、計画的な学習が必要です。テスト範囲を把握し、それに基づいて効率的な学習計画を立てましょう。時間管理をしっかりと行い、各教科に均等な時間を割くことが重要です。特に苦手な科目にはより多くの時間を割くようにしてください。
高校入学の1年生から気を抜かない
内申点を上げたいなら、高校1年生から気を抜かないように注意しましょう。
内申点は高校1年生から3年生までの成績を総合的に見て評価されます。入学したばかりで大学受験のことを意識していない1年生でも対象になるため、手を抜かずにすべての定期テストで高得点を取るようにしましょう。
また、3年生だけは1学期のたった2回のテストの結果だけで学年の評定が決まってしまうので気をつけてください。
真面目な態度で授業に取り組む
次のポイントは、真面目な態度で授業に取り組むという点です。
定期テストだけではなく、日ごろの授業態度も内申点の評価対象になります。
そのため、すべての授業に積極的に参加して、勉強する意欲があることを担当教師に示しましょう。一生懸命な姿は担当教師への印象が良くなるばかりでなく、学習の理解度も高くなります。
授業中の私語や居眠り、姿勢の悪さは先生に悪い印象を与えてしまいます。ノートを取ったり、与えられた課題を期限までに提出したり、挙手をして発言するなど、積極性をアピールしてください。
課外活動に参加する
課外活動に積極的に参加することも、内申点を上げるためのポイントとして挙げられます。部活動をはじめ、ボランティアや役員活動などをする機会があれば、参加しておきましょう。
課外活動への参加は内申書の内容に記載できるだけでなく、面接で面接官に話すネタにもなりますし、良い印象を与えるきっかけにもなります。
勉強だけに集中していると、課外活動がおろそかになりがちですが、参加することで得られることはたくさんあります。自分の成長のためにも積極的に参加していきましょう。
出席日数に注意する
内申書には出欠の記録も残されるため、出席日数には注意してください。
特に学校推薦型選抜を狙っている場合は、欠席が多いと評価が低くなってしまいます。
大学によっては欠席日数の制限を設けているところもあり、基準を超えた欠席日数の場合は出願すら認めてもらえません。
また、欠席だけでなく遅刻にも注意しましょう。複数回の遅刻で欠席1日とカウントされてしまう高校もあります。入院や病気などで止むを得ない場合もありますが、できるかぎり休まずに学校に通いましょう。
なお、2022年度からは文部科学省がオンライン授業も備考欄に記載して良いことになっています。感染症などで学校に行けない場合は、オンラインで授業に参加するようにしてください。
塾や家庭教師を利用する
内申点を上げるために、塾を利用するのも1つの方法です。
定期テストの成績は内申点に直接的に影響しますので、塾に通って学力を高めること自体が内申点を上げることにつながります。
塾では学校の授業内容を補強し、理解を深めることができます。他にも日々の学習習慣を身につけるのに役立ちますし、分からない部分を質問できたり、勉強のモチベーションを維持できるなど、塾に通うことは様々なメリットがあります。
自力で頑張っていてもなかなか良い点数が取れない方は、塾に通うという選択肢を選んでもいいでしょう。
関西の学習塾、ファロス個別指導学院では国公立や関関同立の合格を目指す「大学受験個別合格戦略コース」を開講しております。
⇒新しい個別授業の学習スタイル「大学受験個別合格戦略コース」はこちら
あなただけの戦略で国公立・関関同立合格を目指す!
大学受験 個別戦略指導会
まとめ
大学受験と内申点の関係性や影響力について解説してきました。
大学受験、特に推薦入試において内申点は重要になります。入試にどれくらい影響するかは大学によって変わってきますので、志望校のホームページで募集要項を確認しておきましょう。
一般入試や総合型選抜の場合、内申点はそれほど大きく影響しません。
とはいえ、内申点が低いということは、普段の勉強方法が間違っている可能性もあります。
勉強方法が間違っていると、本番の試験も良い点数は取れないでしょう。日ごろからしっかり勉強しておけば、おのずと内申点も上がってくるはずです。
なかなかテストの結果が付いてこないという方は、塾を利用して基礎学力を高めていきましょう。